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現在、庵治石の年間産出量は約30万トン(2003年現在)であるが、その内「墓石、灯篭、彫刻材等」として製品化される量はわずか1%(3,000トン)といわれています。他のものは、建築用の土台や庭石、築石、捨石(埋め立て等)などに使われる。なぜこのように産出量に対しての製品量が少ないかというと、この庵治石の丁場は他の地方の丁場に比べ、岩盤に入っている亀裂が非常に多く、大きい石が採石されにくいのである。
岩盤に入っている亀裂で南北が「かさね」東西が「二番」といわれ、水平方向に「目」といわれている。この「かさね」はほとんどが縦方向に、「二番」は横方向に走っている。これらの石の状態のことを、「かさね肌」「二番肌」と呼ぶ。「かさね」「二番」「目」にはそれぞれキズといわれる筋がある。「かさねキズ」「二番キズ」「目キズ」と呼ばれており、キズには他に「青タン」「白キズ(こもりキズ)」「発破キズ」と呼ばれるものもあり、またキズではないが一般的に「ナデ」と呼ばれている石の模様・ムラ(ヨリ)もある。
「かさね」・・・ 瀬戸内海火山活動期に南部が高く、北部が低くなるような四半球状の急激な曲隆(地殻が緩やかに上方へたわむこと)により北側に放射状の亀裂が生じた。この筋は南北にほぼ縦方向に走っており、この亀裂が庵治石産地にも起こり「かさね」といわれている。これは石割において最も割りにくい面方向でもある。かさね肌は、石を原石から切削の時点でほぼ発見され、仕上がった製品にこのキズが残ることは、ほとんど無いといってもよい。
「二番」・・・ 「かさね」に対してほぼ垂直方向(横方向)に入っている筋をいい、石割において「かさね」の次に割りにくいとされている。二番肌もかさね肌同様、切削や磨き工程の段階で発見されるが、希に判りにくいキズがあり、職人の目をくぐり抜け、製品になってしまうこともある。
「目」・・・ 地盤に対して水平方向にあり、一番割れ易い方向でもある。
庵治石は、中目が採出される場所には比較的キズが少ないため大きな石が採石され易いが、細目が採出される場所にはキズが多いため、大きな石は採石され難く中目に比べ小さな石しか採石されないといわれている。それぞれの筋(キズ)に沿って筋を除けキズの無い部分を岩盤から切り出すため、効率が悪く、他の地方にある丁場に比べ、一般的に「庵治石の丁場はキズが多い」といわれている。また、採石された石を加工する段階に於いても、原石では見えていなかったキズ等が出てくる場合があり、また黒玉や、ナデの問題・色目合わせの難しさ等々、製品に仕上がるまでのリスクが他の石種に比べて非常に高いともいわれている。
以上のような事から、「庵治石」の希少価値が高く評価され、なぜ庵治石の産出量が少ないかを理解して頂けたのではないでしょうか。  庵治石がお墓に最適な性質を持ちながら、同時に高価な原因にもなっている「傷やカサネ」の多さ。ここでは、実際に建てられたお墓で見られた、庵治石の傷やカサネのトラブル例をご紹介します。
【傷】
傷は石の成分の裂け目、もしくは外的要因によってヒビ割れているトラブルです。
傷があると、お墓の見栄えが悪くなるだけでなく、水を吸い溜め込みやすいので、傷が広がる可能性があり、致命傷になります。
【カサネ】
カサネの部分(不純物の混ざった境目)を排除せずに墓石を完成させた為、起こったトラブルです。
カサネは年月が経つと、ちょっとした衝撃で割れてしまう可能性があるので、必ず避けたいものです。 |